慰謝料の種類
1. 傷害慰謝料
入院・通院の期間、ケガの状態により一定の基準額が決まっています。
2. 後遺障害慰謝料
傷害事故の慰謝料と同様、後遺症の慰謝料も後遺障害等級に応じてある程度定額化されています。
3. 死亡慰謝料
死亡した本人とその遺族に対して支払われます。
請求する権利があるのは父母(養父母も)、配偶者、子(養子、認知した子、胎児も)。
死亡した本人の一家内の立場により定額化されている。
1. 傷害慰謝料
弁護士会(裁判所)基準が最も多く算出される
自賠責保険基準 < 任意保険基準 < 弁護士会(裁判所)基準の順に多い。
・自賠責保険基準は、自賠法に支払基準が明記されており、損害賠償金はこれに基づいて支払われます。
・任意保険基準は、損害保険各社の支払い基準です。保険の自由化以前は統一された支払基準がありましたが、現在では廃止されています。但し現在でも統一基準を参考に賠償額を提示する保険会社があります。
・弁護士会基準は、弁護士会が過去の判例を参考に基準額を算定したものです。日弁連交通事故相談センター東京支部の作成する「民事交通訴訟 損害賠償算定基準」(通称「赤い本」)がこれにあたります。
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自賠責保険基準 |
・支払額・・・・1日あたり 4,200円 ・対象日数・・・以下の日数の少ないほうを採用 ・自賠責法に基づく慰謝料の額 |
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任意保険基準 |
現在は各保険会社が個別に支払基準を設定していますが平成9年までの統一基準では被害者のケガの程度、年齢、性別、職業、判例の動向を考慮に入れつつ、支払金額を決定していました。 |
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弁護士会基準 |
弁護士会基準は、自賠責保険、任意保険の基準に比べて高い額になっています。 |
2.後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料には、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士会の3つの基準があります。
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自賠責保険基準 |
後遺障害等級表に対応した金額が支払われます。 |
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任意保険基準 |
保険自由化以降は、各保険会社が個別に支払基準を設定していますが、その金額は公表されていません。 |
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弁護士会基準 |
弁護士が損害賠償請求する際の目安として作成された基準で、3つの基準の中では最も高額となっています。 |
後遺障害慰謝料の支払限度額 ( )内の金額は、被害者に扶養者がいる場合
| 後遺障害等級 | 自賠責保険基準 | 任意保険基準 (目安) |
弁護士会基準 |
| 要介護の第1級 | 1,600万円(1,800万円) | ||
| 要介護の第2級 | 1,163万円(1,333万円) | ||
| 第1級 | 1,100万円(1,300万円) | 1,850万円 | 2,800万円 |
| 第2級 | 958万円(1,128万円) | 1,450万円 | 2,370万円 |
| 第3級 | 829万円(973万円) | 1,150万円 | 1,990万円 |
| 第4級 | 712万円 | 850万円 | 1,670万円 |
| 第5級 | 599万円 | 750万円 | 1,400万円 |
| 第6級 | 498万円 | 650万円 | 1,180万円 |
| 第7級 | 409万円 | 550万円 | 1,000万円 |
| 第8級 | 324万円 | 450万円 | 830万円 |
| 第9級 | 245万円 | 350万円 | 690万円 |
| 第10級 | 187万円 | 250万円 | 550万円 |
| 第11級 | 135万円 | 200万円 | 420万円 |
| 第12級 | 93万円 | 150万円 | 290万円 |
| 第13級 | 57万円 | 65万円 | 180万円 |
| 第14級 | 32万円 | 45万円 | 110万円 |
3.死亡慰謝料
死亡慰謝料は、1.傷害慰謝料や、2.後遺障害慰謝料と同様に、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士会の3つの基準があります。
・自賠責保険基準
死亡事故の支払限度額は、逸失利益や慰謝料、葬儀換気費などをすべて含めて3,000万円で、そのうちの慰謝料の支払い基準額は次の通りです。
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死亡者本人の慰謝料 |
350万円 |
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遺族(義父母を含む被害者の父母、養子・認知した子並びに胎児を含む子及び配偶者)の慰謝料 |
請求者が1名の場合 550万円 |
・任意保険基準
保険自由化以降は、各保険会社が個別に支払基準を設定していますが、その金額は公表されていません。
以前の数値に準じている保険会社では、自賠責保険基準より少し高い金額が採用されているようです。
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一家の支柱であった場合 |
1,450万円 |
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高齢者(65歳以上で一家の支柱でない者) |
1,000万円 |
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18歳未満(有職者を除く) |
1,200万円 |
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上記以外(妻・独身男女) |
1,300万円 |
・弁護士会基準
弁護士会基準額は、3つの基準の中で最も高い額になっています。
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一家の支柱であった場合 |
2,800万円 |
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母親・配偶者の場合 |
2,400万円 |
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その他の場合 |
2,000〜2,200万円 |
逸失利益
1.後遺障害における逸失利益の算定方法
被害者が交通事故により、治療にもかかわらず完治せず、改善効果が見込めない状態で症状が固定し、労働能力が低下したと認められれば、働けなくなったことによる減収分を、逸失利益として請求することが出来ます。
(試算式)
年収 × 労働能力喪失率 × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数
(例) 年収400万円、35歳のサラリーマンが、交通事故により後遺障害が残り、第9級10号に認定された場合
⇒労働能力喪失率は35% 後遺症害等級表を参照
⇒35歳に対応するライプニッツ係数は、15.803
400万円×0.35×15.803=2,2124,200円
例は逸失利益2,2124,200円ですが、9級の自賠責保険金額は逸失利益と慰謝料を合わせても上限616万円ですから、残りについては加害者の任意保険もしくは加害者の自己負担となります。
2.死亡事故における逸失利益算定方法
死亡事故の場合、後遺障害と同様に逸失利益が消極損害となります。但し、死亡事故は休業損害がなく、被害者が生きていれば要したであろう年間生活費の相当分を年収から控除して逸失利益を算出する点が異なります。就労可能年数は原則として67歳までになります。
(試算式)
年収 × (1 - 生活費控除率) × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数
生活費控除率・・・・将来にわたっての収入を現時点で得ることになるので生活費控除率として次のようにほぼ定型化されています。
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一家の支柱の場合 |
30%〜40% |
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女子(主婦、独身、幼児を含む) |
30% |
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男子(独身、幼児を含む) |
50% |
(1)年収の証明
算出の基礎となる年収の証明方法は、後遺障害事故の逸失利益と同様に、職業によって異なります。サラリーマンや公務員などの給与所得者は事故前の給与を基礎とし、自営、自由業、農・漁業の事業所得者などは収入証明書を基礎にします。はっきりとした収入が確定できない家事従事者や、事故時にまだ収入のない学生・年少者は、賃金センサス(厚生労働省が毎年発表する「賃金構造基本統計調査」)を基礎にします。
(2)就労可能年数
就労可能年数は、原則として死亡時から67歳までの期間とされており、未就労の幼児や小学生などは18歳から67歳までの49年間になります。
また、大学生やすでに大学・短大進学が決まっている人の場合は、大学卒業後の年齢から67歳までの期間となります。なお、68歳以上の高齢者が実際に収入を得ていた場合は、簡易生命表による平均余命の2分の1を就労可能年数として採用します。
(3)年金などの受給者の逸失利益
年金受給者の場合は、年金も基礎年収に算出して計算します。自賠責保険の支払い基準では次のような計算式で算定します。
(収入額 - 本人の生活費) × 死亡年齢時に対応するライプニッツ係数
+
(年金額 - 本人の生活費) × (死亡時の年齢における平均余命のライプニッツ係数
- 死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数)
このほか、無拠出性の福祉年金や遺族年金以外の年金を受給する人は、次の方法で計算します。
・年金受給者の年間収入額または年相当額を算出する基準(自賠責保険基準)
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有職者 |
年金と事故の直前1年間の収入とを合算した金額と、年齢別平均給与額の高い方の額。 |
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幼児・学生・家事従事者 |
年金もしくは全年齢平均給与額の高い方の額。ただし、58歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別平均給与額と年金額の高い方を採用する |
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その他働く意思と能力を有する者 |
年金と年齢別平均給与額の高いほうを採用する。ただし、年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を上回る場合は、全年齢平均給与額とも比較する |
慰謝料が増額されるケース
加害者の過失の大きさや、事故後の態度の悪さが精神的苦痛を増大させたと判断される場合は、慰謝料が増額されることがあります。
[ケース1]
加害者側の過失の大きさ
飲酒運転、スピード違反、居眠り運転、無免許運転、信号無視、わき見運転など
[ケース2]
事故後の態度の悪さ
不自然、不合理な供述、不誠実な態度、証拠隠滅、救護義務違反、ひき逃げ、被害者に責任転嫁する言動など
[ケース3]
他の損害項目に入らないものを慰謝料でまかなおうとする場合
逸失利益に算定しにくい項目を、逸失利益ではなく慰謝料でカバーする場合
[ケース4]
被害者に特別の事情がある場合
妊婦が胎児を流産、または死産した事故が原因で、婚約破棄、離婚したなど









